中央製作所(6846)は、名古屋証券取引所メイン市場に上場する産業用機械・電気機器メーカーです。派手さはありませんが、電源機器、表面処理装置、電気溶接機といった生産設備の中核を担う装置を手がけ、製品の約75%がオーダーメイドという、いかにも日本の“強い工場銘柄”らしい会社です。会社概要では、2025年3月期売上高48.89億円、従業員数200名、本社は名古屋市瑞穂区、主要顧客は日本の主要産業界全般とされています。まずここで見えてくるのは、ニッチだが代替しにくい領域にいること、そして受注の波をもろに受けやすい企業構造であることです。中央製作所 会社概要
この銘柄に注目する理由は3つあります。
1つ目は、PBRが0.4倍台まで低く、資産面から見るとかなり割安に見えることです。
2つ目は、2025年3月期に業績が大きく改善した一方で、2026年3月期は一転して減益見通しとなっており、今が“ピーク後の評価局面”にあることです。
3つ目は、見た目のバリュー感は強いのに、流動性の低さと事業の受注変動の大きさから、簡単には市場評価が切り上がらないタイプの銘柄だということです。2026年3月3日時点で取得できる株価情報では、株価1,375円、予想PER16.34倍、実績PBR0.45倍、予想配当利回り1.82%でした。さらに株探のチャート情報では、2026年3月12日も終値は1,375円、25日移動平均は1,343.56円、75日移動平均は1,337.25円で、株価は移動平均線近辺にあります。つまり、極端な過熱ではない一方、強い上昇トレンドとも言いにくい位置です。Yahoo!ファイナンス 株価 Yahoo!ファイナンス 配当 Yahoo!ファイナンス 時系列 株探 チャート
会社概要
中央製作所は、電源機器、表面処理装置、電気溶接機、さらに試験装置や計測器などを扱う設備メーカーです。製品構成を見ると、量産品を大量販売する会社ではなく、顧客の工程に入り込む受注型企業です。このため、競争優位はブランド消費財のような知名度ではなく、個別仕様への対応力、納期対応、設計力、顧客との関係性にあります。これは強みである一方、案件の大型化・個別化が進むほど売上や利益の期ズレが出やすく、決算の振れも大きくなります。会社自身も「受注型企業であり厳しい受注競争に晒されている」と有報で明記しています。中央製作所 会社概要 有価証券報告書(2025年3月期)
沿革を見ても、1936年設立、1961年に名証上場と、非常に長い歴史を持っています。いわゆる新興のテーマ株ではなく、長く設備産業と付き合ってきた会社です。こうした企業は、相場の主役になることは少なくても、業界の設備更新需要や製造現場の合理化投資の中で静かに生き残ります。逆に言えば、成長ストーリーだけで買う銘柄ではありません。地味で、評価されにくく、それでも利益を積み上げられるかを見る銘柄です。有価証券報告書(2024年3月期) 有価証券報告書(2025年3月期)
2025年3月期の販売実績を見ると、売上高48.89億円の内訳は、電源機器14.24億円、表面処理装置24.85億円、電気溶接機6.56億円、その他3.23億円でした。売上の柱は表面処理装置で、ここが半分程度を占めています。つまり中央製作所を見るときは、単純に“電源の会社”ではなく、表面処理設備案件の有無が業績をかなり左右する会社として見る必要があります。2025年3月期有価証券報告書
なぜこの会社に注目するのか
注目理由は、割安だからだけではありません。むしろ重要なのは、割安さの背景が“誤解”なのか“妥当な低評価”なのかを見分けることです。
2025年3月期は、売上高48.89億円、営業利益2.35億円、経常利益2.45億円、当期純利益2.21億円でした。営業利益率は4.8%、ROEは9.7%、自己資本比率は47.0%です。数字だけ見れば、超優良企業とは言えないものの、中小型製造業としては十分に見られる水準です。しかもPBRは0.45倍前後で、BPSは3,044円台ですから、株価1,375円前後は解散価値に対して大きくディスカウントされているように見えます。2025年3月期決算短信 Yahoo!ファイナンス 株価
ただし、ここで単純に「PBR0.45倍だから安い」と結論づけるのは危険です。なぜなら、この会社の利益水準は安定的に右肩上がりではなく、案件のタイミングと採算でかなり揺れるからです。有報の5年推移を見ると、1株利益は2021年3月期94.01円、2022年3月期△5.87円、2023年3月期△338.42円、2024年3月期235.01円、2025年3月期286.28円と、かなり振れています。自己資本比率も50.6%→48.0%→45.3%→43.9%→47.0%で推移しており、財務は保っていますが収益の波は大きい。つまりこの銘柄の低PBRには、それなりの理由があります。2025年3月期有価証券報告書
それでも注目する価値があるのは、2023年3月期の大きな落ち込みから2024年3月期、2025年3月期にかけて立て直してきたこと、そして営業CFが大きく改善したことです。2025年3月期の営業CFは5.30億円、投資CFは△2.03億円、財務CFは△0.26億円、期末現金は13.66億円でした。利益だけでなく資金繰りでも改善が見えたことで、一度崩れた収益力を完全ではないにせよ戻してきたと評価できます。2025年3月期決算短信 2025年3月期有価証券報告書
業績の確認
まずは2025年3月期の通期決算から整理します。会社の決算短信によると、2025年3月期は売上高4,889百万円、営業利益235百万円、経常利益245百万円、当期純利益221百万円でした。前期比で売上は25.2%増、営業利益72.2%増、経常利益70.5%増、純利益21.8%増です。営業利益率は4.8%で、2024年3月期の3.5%から改善しました。数字だけを見ると、かなり良い決算でした。2025年3月期決算短信
ただし中身を見ると、全面的に強いというより、案件の売上計上が進んだ年という見方が正確です。2025年3月期の受注高は41.51億円で前年同期比14.5%減、受注残高は25.75億円で前年同期比22.3%減でした。一方で売上高は48.89億円と増えています。つまり、過去に積み上がっていた案件の売上化が進んだ一方で、新規受注は弱かったわけです。ここを読み違えると、「業績拡大局面が始まった」と過大評価してしまいます。2025年3月期有価証券報告書
セグメント別に見ると、2025年3月期は電源機器の受注高12.68億円、売上高14.24億円。表面処理装置の受注高18.18億円、売上高24.85億円。電気溶接機の受注高6.59億円、売上高6.56億円でした。特に表面処理装置は売上高が前年比66.5%増と大きく伸びていますが、受注高は27.7%減です。このギャップは非常に重要です。今期の売上は良かったが、来期以降の仕込みは弱かったということだからです。2025年3月期有価証券報告書
この懸念は、2026年3月期に入って現実化しています。2025年11月13日に会社は通期予想を下方修正し、売上高37.00億円、営業利益0.30億円、経常利益0.30億円、当期純利益0.65億円へ修正しました。修正前は営業利益1.05億円、経常利益1.00億円、純利益0.90億円だったため、利益予想は大幅減額です。会社は修正理由として、一部製品で収益目標が未達だったこと、足元の受注状況を踏まえたことを挙げています。通期業績予想修正のお知らせ
さらに2026年3月期第3四半期累計では、売上高24.87億円、営業損失0.31億円、経常損失0.23億円、四半期純利益0.08億円でした。純利益が黒字なのは、投資有価証券売却益0.51億円という特別利益が効いているからで、本業は赤字です。売上総利益は前年同期7.98億円から6.80億円へ減少し、販管費はやや減ったものの吸収しきれていません。これは“売上が少し落ちた”というより、“粗利が縮んで固定費を賄えなくなった”状態です。つまり利益率の低下が本質です。2026年3月期第3四半期決算短信
セグメント別でも弱さが見えます。2026年3月期第3四半期累計の売上高は、電源機器11.29億円、表面処理装置7.07億円、電気溶接機4.41億円、その他2.10億円でした。受注高は、電源機器11.11億円で前年同期比7.1%増と健闘していますが、表面処理装置11.60億円で同10.5%減、電気溶接機3.94億円で同23.4%減、合計29.83億円で同7.2%減です。しかも受注残高は30.71億円で前年同期比21.4%減です。電源機器だけでは全体を支え切れておらず、表面処理装置と溶接機の弱さが重い。ここが今の中央製作所の最大の課題です。2026年3月期第3四半期決算短信
一方で、完全に悲観だけというわけでもありません。会社は電源機器で電池業界や金属表面処理業界向け需要を取り込み、表面処理装置ではIoTを活用した予防保全システム「CCCS-M」、電気溶接機では新機能搭載の溶接制御装置「CK5」などで受注確保を狙っています。要するに、既存設備の更新需要と、改善・省人化・保守提案で戦う構えです。大化けする話ではない一方、地味に粘る戦略ではあります。2026年3月期第3四半期決算短信
財務の安全性とキャッシュフロー
中央製作所の安心材料は、まず財務がすぐ危ない会社ではないことです。2025年3月期末の総資産は50.09億円、純資産は23.56億円、自己資本比率は47.0%、1株純資産は3,049.95円でした。自己資本比率50%近辺を保てているので、景気後退や受注減に対して即座に資金繰りが詰まるタイプではありません。2025年3月期決算短信 2025年3月期有価証券報告書
2025年3月期のキャッシュフローはかなり良かったです。営業CF5.30億円に対し、投資CFは△2.03億円、財務CFは△0.26億円で、現金は前期末10.65億円から13.66億円へ増えました。営業CFの主因は、税引前利益2.82億円、売上債権の減少2.51億円などです。受注型企業は、案件の進行と入金タイミングで資金繰りが悪化しやすいのですが、この期はむしろ資金回収が進んだ格好です。2025年3月期決算短信 2025年3月期有価証券報告書
ただし、2026年3月期第3四半期時点では少し景色が変わります。現金及び預金は13.66億円から12.47億円へ減少し、短期借入金は7.40億円から8.40億円へ増加、さらに長期借入金2.53億円が計上されています。有形固定資産は5.22億円から9.58億円へ増えており、本社工場建替えの影響が出ています。資産が積み上がる一方で利益が弱い局面なので、見た目のBPSだけで安全と考えるのは早計です。設備投資が先行し、回収は後から来る状態です。2026年3月期第3四半期決算短信
工場建替えについては、当初の計画では本社工場の一部建物建替えと製造設備等で投資予定額6.90億円、2025年9月完成予定としていました。有報ではこの建替えの目的を、老朽化対応、事業継続力強化、職場環境改善、生産性と品質の向上としています。2025年3月期の設備投資総額は2.67億円でした。これは将来の競争力維持には必要な投資ですが、短期的には減価償却増や借入増を伴います。投資家としては、「この投資が受注競争力を実際に高めるか」を数年単位で検証する必要があります。2025年3月期有価証券報告書 本社工場建替えに関するお知らせ 第118回定時株主総会招集ご通知
結論として、財務は今のところ耐久力がある。しかし今後1~2年は、利益回復が遅れると「割安株」ではなく「設備投資負担が重い低収益株」に見られやすい局面です。ここは率直に注意が必要です。
株価指標の説明
中央製作所を数字だけで見ると、かなり安く見えます。取得できる直近株価ベースでは、株価1,375円、予想PER16.34倍、実績PBR0.45倍、BPS3,044.27円、ROE9.70%、予想配当利回り1.82%です。PBRだけ見ると明らかに低く、BPSの半分以下で買える水準です。Yahoo!ファイナンス 株価 Yahoo!ファイナンス 配当 楽天証券 株価
ただ、このPBRの低さをどう解釈するかが難しい。ROE9.7%を継続できる会社なら、PBR0.45倍は明らかに放置されすぎです。しかし会社予想では2026年3月期のEPSは84.13円に低下し、純利益は0.65億円まで落ちる見通しです。この予想に基づくPERが16倍台になるということは、市場は“低PBRの割安株”としてではなく、“来期利益が薄い会社”として見ているわけです。2025年3月期決算短信 通期業績予想修正のお知らせ Yahoo!ファイナンス 株価
過去のROE推移を見ても、2021年3月期3.3%、2022年3月期△0.2%、2023年3月期△12.5%、2024年3月期8.7%、2025年3月期9.7%です。非常に良い年が続いている会社ではありません。むしろ赤字年を挟みつつ回復した会社です。だから市場は、2025年3月期の利益をそのまま来期以降も置くことに慎重なのです。この評価は、厳しいですが合理的です。2025年3月期有価証券報告書
では、適正PERをどう考えるべきか。
この会社のような受注変動の大きい小型設備株は、景気敏感で流動性も低く、しかも名証単独色が強いため、東証主力株のように15~20倍を安定的に与えられにくい傾向があります。個人的には、平常時EPSを150~180円程度で見積もり、PER8~10倍程度が現実的な評価レンジだと考えます。そうすると適正株価は1,200~1,800円程度になります。現株価1,375円前後は、このレンジの真ん中付近です。つまり、今の株価は“極端な割安”というより、“不安定な業績を織り込んだ妥当圏”に近いと見た方が冷静です。これは公式会社予想、過去EPS推移、現在のPBR水準からの推論です。
言い換えると、中央製作所は「安いから買えば勝てる」銘柄ではありません。
業績が戻れば上に行く余地はある。
しかし、戻らなければ低PBRのまま何年でも停滞し得る。
このタイプの銘柄です。
株主還元の詳細と評価
2025年3月期の年間配当は42円でした。2024年3月期は35円、2026年3月期予想は25円です。2025年3月期の配当性向は14.7%、純資産配当率は1.4%でした。利益が出た年でもかなり保守的な還元方針です。これは悪く言えば物足りないですが、良く言えば無理配当をしない会社でもあります。2025年3月期決算短信 2025年3月期有価証券報告書
有報の5年推移では、1株配当額は2021年3月期0円、2022年3月期20円、2023年3月期0円、2024年3月期35円、2025年3月期42円でした。つまり配当は連続増配株ではなく、利益次第で止まる会社です。ここを高配当株として買うのは間違いです。2025年3月期有価証券報告書
10年レベルで見ても、配当はかなり不安定です。IR Bankの推移では、2015年3月期20円、2016年3月期20円、2017年3月期40円、2018年3月期20円、2019年3月期20円、2020年3月期20円、2021年3月期0円、2022年3月期20円、2023年3月期0円、2024年3月期35円、2025年3月期42円となっています。公式IRの直近5年推移とも整合的です。過去の景気や利益の波に合わせて配当が上下しており、累進配当のような設計ではありません。IR Bank 配当推移 2025年3月期有価証券報告書
ここで注意したいのが、「見た目の利回りに注意が必要」という点です。
2025年3月期の42円配当だけを見て利回りを計算すると魅力的に見えますが、会社予想は2026年3月期25円へ減配です。さらにこの会社は受注と利益の変動が大きく、赤字年には無配もありました。つまり、過去実績利回りだけを見て買うと危険です。中央製作所の配当は“安定収入”ではなく、“その年の利益水準に応じて出る可能性がある還元”くらいに捉えるべきです。2025年3月期決算短信 Yahoo!ファイナンス 配当 IR Bank 配当推移
なお、株主優待はありません。Yahoo!ファイナンスでも「株主優待はありません」と明記されています。還元は基本的に配当一本です。Yahoo!ファイナンス 株主優待
株価の適正価格と成長余地
ここが一番重要です。
中央製作所の将来株価を考えるには、まず“何が起きれば市場評価が変わるか”を整理する必要があります。
短期で株価を大きく押し上げる材料は、正直あまり多くありません。
名証メインの小型株で流動性が低く、機関投資家の大量資金が入りやすい銘柄ではないからです。出来高も極めて薄く、2026年3月3日の出来高は1,100株、2026年3月12日は0株表示でした。これは需給が良ければ飛ぶ一方、基本的には“見つからない株”であり続けやすいことを意味します。Yahoo!ファイナンス 時系列 株探 チャート
1年後の視点では、まず2026年3月期の着地が会社予想通りか、それともさらに下振れるかが焦点です。会社予想は売上高37億円、営業利益0.30億円、純利益0.65億円です。もしこの水準で着地し、なおかつ2027年3月期の受注回復が見えなければ、株価は1,200円前後のレンジに戻っても不思議ではありません。逆に、電源機器の受注増が他部門の弱さを補い、来期の回復見通しが見えれば、1,500~1,700円程度への見直しは十分あり得ます。
3年後の視点では、本社工場建替えの効果がどこまで顕在化するかが重要です。
設備投資は、それ自体では株価材料になりません。
しかし生産性改善、品質向上、納期短縮、原価低減につながれば、受注競争の厳しい会社ほど効いてきます。中央製作所は有報で、価格競争に対して営業・設計・製造連携と原価管理で対抗すると書いています。つまり工場投資は、単なる老朽更新ではなく、競争力維持のための最低条件です。ここが実際に利益率改善へつながれば、平常時EPS150~180円は十分狙えます。その場合、PER9~10倍で1,350~1,800円、PBR0.5~0.6倍程度までの評価はありえます。
5年後の視点では、電池業界、表面処理、溶接、自動車関連設備の更新需要をどう拾えるかが分かれ目です。会社は電源機器で電池業界向け需要、表面処理装置で半導体や自動車関連、溶接機で自動車関連や鉄鋼・建材関連を見ています。製造業の国内回帰、老朽設備更新、省人化、品質要求高度化という流れが続けば、中央製作所のような個別対応型メーカーには一定の商機があります。ただし、業界全体の追い風があっても、受注競争で単価が下がれば利益は残りません。ここがこの会社の難しいところです。2025年3月期有価証券報告書 2026年3月期第3四半期決算短信
10年後まで考えると、さらに厳しく見た方がいいです。
この会社は歴史が長く、技術蓄積もあります。
しかし、超長期で株価を大きく伸ばすには、単なる生き残りでは足りません。収益性の安定化、資本効率の改善、あるいは市場との対話強化が必要です。現状の中央製作所は、悪い会社ではないが、資本市場で高く評価される設計になっているとは言いにくい。ここを変えられない限り、10年で数倍株になるタイプではなく、安く買って適正評価への戻りを待つタイプにとどまる可能性が高いです。
リスク・死角
この会社のリスクは、まず受注競争です。有報では、想定以上に製品価格の引き下げを余儀なくされる可能性を明記しています。受注型企業なので、案件を取れても利益が薄ければ意味がありません。2026年3月期の利益悪化は、まさにこのリスクが表面化した可能性を示しています。2025年3月期有価証券報告書 通期業績予想修正のお知らせ
次に資材調達と在庫リスクです。会社は、部材の供給不足や納入遅延、さらに見込製造による余剰在庫・滞留在庫が評価損や廃棄損につながる可能性を記載しています。個別受注と短納期要求がある会社なので、調達と在庫はどうしても難しい。業績が落ちるときは、売上不足だけでなく原価のコントロール悪化も同時に起きやすいです。2025年3月期有価証券報告書
さらに、地理的集中リスクがあります。本社と生産工場は名古屋にあり、会社は東海地方の大規模地震リスクを認識しています。BCPを整備しているとはいえ、拠点集中は無視できません。小型メーカーなので、一度操業中断が起これば影響は大きいです。2025年3月期有価証券報告書
そして最大の死角は、“PBRが低いのに上がらない時間”が長く続くことです。
名証小型で流動性が低く、東証主力株のように見直し買いが入りやすくありません。
出来高の薄さは、買いたい時に買えず、売りたい時に売れないことも意味します。つまり、割安さを見つけても、解消までに時間がかかる可能性が高い。これはバリュー投資ではとても重要なリスクです。Yahoo!ファイナンス 時系列 株探 チャート
中長期評価の結論と投資スタンス
中央製作所を中長期でどう見るか。
結論から言うと、“大きな成長株”として買う銘柄ではないが、“資産・財務に支えられた地味な割安株”として監視する価値はある、という評価です。
強みははっきりしています。
オーダーメイド比率の高い設備メーカーであること。
長い顧客基盤を持つこと。
2025年3月期時点ではROE9.7%まで戻し、営業CFも5.30億円と強かったこと。
PBR0.45倍前後で、BPSから見ればかなり低評価であること。
この4つは無視できません。中央製作所 会社概要 2025年3月期決算短信 Yahoo!ファイナンス 株価
一方で弱みも明確です。
受注残が減っていること。
2026年3月期は本業赤字局面に入っていること。
配当が安定的ではなく、高配当株としては使いづらいこと。
市場流動性が低く、割安修正が遅れやすいこと。
この4つは、投資判断をかなり難しくします。2026年3月期第3四半期決算短信 Yahoo!ファイナンス 配当 Yahoo!ファイナンス 時系列
したがって投資スタンスとしては、今すぐ強気で大きく買う銘柄ではなく、受注と利益率の回復確認を待ちながら、割安圏で少しずつ拾うタイプだと思います。
とくに確認したいのは、次の3点です。
表面処理装置の受注回復。
電気溶接機の落ち込みが底打ちするか。
工場建替え後に利益率改善が出るか。
この3つが揃って初めて、低PBRが本格的に見直される可能性が出ます。
まとめ
中央製作所は、派手さのない設備メーカーです。
しかし、こういう会社の中に、地味に面白い銘柄が隠れています。
2025年3月期は売上48.89億円、営業利益2.35億円、営業利益率4.8%、純利益2.21億円、ROE9.7%、自己資本比率47.0%と、数字はかなり回復しました。ところが2026年3月期は売上37億円、営業利益0.30億円、純利益0.65億円予想へ減速し、第3四半期累計では営業赤字です。つまり、今は「良かった前年」と「苦しい今期」がぶつかっている過渡期です。2025年3月期決算短信 通期業績予想修正のお知らせ 2026年3月期第3四半期決算短信
株価1,375円前後、PBR0.45倍前後は確かに安い。
ただし、その安さには理由があります。
この会社は安定成長株ではなく、受注の波を受ける小型設備株だからです。
それでも、財務に一定の余裕があり、本社工場建替えを進め、過去の赤字局面から持ち直した実績もある。そう考えると、中央製作所は「今すぐ爆発する株」ではなく、「地味だが、条件が揃えばじわっと評価が戻る株」と言えます。短期より、中長期で業績の底打ちと受注回復を見ながら向き合うのが合っています。
チェックポイント
中央製作所を今後追うなら、見るべき点は明確です。
まず、四半期ごとの受注高と受注残高です。売上より先に、案件の仕込みが戻っているかを確認する必要があります。とくに表面処理装置と電気溶接機が回復するかが重要です。2026年3月期第3四半期決算短信
次に、営業利益率です。売上が戻っても、利益率が戻らなければ意味がありません。案件の採算悪化が続くなら、低PBRは正当化され続けます。通期業績予想修正のお知らせ 2026年3月期第3四半期決算短信
さらに、工場建替え後の設備効果です。減価償却や借入だけ増えて、受注競争力や品質改善が見えなければ投資負担だけが残ります。ここは数年単位で見たいところです。本社工場建替えに関するお知らせ 2025年3月期有価証券報告書
最後に、配当を高く見積もりすぎないことです。
この会社の配当は景気と利益に連動しやすく、無配年もあります。
利回りではなく、利益体質の改善が先です。Yahoo!ファイナンス 配当 IR Bank 配当推移
一次情報リンク集
決算短信は2025年3月期決算短信、2026年3月期第3四半期決算短信です。
有価証券報告書は2025年3月期有価証券報告書です。
会社公式IR一覧は中央製作所 IRページ、決算短信一覧、有価証券報告書一覧、株式情報です。
株価・指標確認用としてはYahoo!ファイナンス 株価、Yahoo!ファイナンス 配当、Yahoo!ファイナンス 株主優待が使えます。


